プールや海で活躍する水着ですが、使った後の扱いに困っていませんか。
特に乾燥機に水着を入れても大丈夫なのか、生地が縮んだり傷んだりしないのか心配ですよね。子どもの水着やラッシュガード、水泳帽も同じように乾燥機は避けるべきなのでしょうか。
また、買った水着は洗うべきか、子供の水着の洗い方、デリケートな競泳水着の干し方など、疑問は尽きません。水着に多く使われるポリウレタンという素材の特性を理解することが、お気に入りの一枚を長持ちさせる鍵です。
この記事では、水着と乾燥機の関係から正しいお手入れ方法まで、あなたの疑問を解決します。
- 水着を乾燥機にかけるリスク
- 水着の素材別の正しい扱い方
- 長持ちさせるための洗濯と干し方
- 子供の水着や関連アイテムの注意点
乾燥機に水着を入れるとどうなる?
- 水着を乾燥機にかけると実際どうなる?
- 水着の素材ポリウレタンと熱の関係
- ラッシュガードも乾燥機はNG?
- 水泳帽を乾燥機にかけるリスク
- 特に注意したい子どもの水着の扱い
水着を乾燥機にかけると実際どうなる?

結論から言うと、水着を乾燥機にかけるのは絶対に避けるべきです。水着は速乾性のある素材で作られているため、一見すると乾燥機を使っても問題ないように感じるかもしれません。しかし、乾燥機の高温が水着に深刻なダメージを与えてしまうのです。
主なトラブルとしては、以下のようなものが挙げられます。
乾燥機による水着の主なトラブル
「少しだけなら大丈夫だろう」という油断が、お気に入りの水着を一瞬でダメにしてしまう可能性があります。たとえ見た目に変化がなくても、繊維レベルではダメージが蓄積しているため、乾燥機の使用は控えましょう。
水着の素材ポリウレタンと熱の関係

多くの水着がなぜ熱に弱いのか、その理由は主素材である「ポリウレタン」にあります。水着特有の優れた伸縮性を生み出すポリウレタンですが、実は熱や塩素、紫外線に非常に弱いという弱点を持っています。(参照:「ポリウレタン素材の弱点を知る」東京都クリーニング生活衛生同業組合)
水着は、耐久性や速乾性に優れた「ポリエステル」と、伸縮性のある「ポリウレタン」を編み込んで作られるのが一般的です。この組み合わせにより、身体にフィットし、水中での動きを妨げない快適な着心地が実現します。
しかし、ポリウレタンは高温に晒されると繊維が劣化し、伸び切ってしまったり、最悪の場合はボロボロになってしまいます。乾燥機のような高温環境は、この劣化を急激に促進させてしまうため、水着の寿命を著しく縮める原因となるのです。

水着は「消耗品」と考えるのが基本です。
一般的に100時間程度の着用が交換の目安とされていますが、乾燥機にかけると、その寿命はさらに短くなってしまいます。
ラッシュガードも乾燥機はNG?

日焼け対策や体温維持に役立つラッシュガードも、乾燥機の使用は避けるべきです。
ラッシュガードも水着と同様に、ポリエステルやポリウレタンといった化学繊維で作られていることがほとんどです。そのため、水着と同じように熱に弱く、乾燥機にかけると以下のような問題が起こる可能性があります。
ラッシュガードを乾燥機にかけるリスク
ラッシュガードも水着と同様に速乾性が高いアイテムなので、乾燥機を使わなくても風通しの良い場所で陰干しすれば十分に乾きます。大切な機能性を損なわないためにも、自然乾燥を徹底しましょう。
水泳帽を乾燥機にかけるリスク

水泳帽(スイムキャップ)も、素材によっては乾燥機でダメージを受ける可能性があります。水泳帽には主にメッシュ、シリコン、2ウェイシリコンなどの素材があります。
素材別の注意点
メッシュキャップ:
水着と同じ素材(ポリエステル・ポリウレタン)で作られているため、乾燥機に入れると熱で劣化し、伸縮性が失われます。絶対に避けましょう。
シリコンキャップ:
熱に比較的強い素材ではありますが、高温によって変形したり、表面がベタついたりするリスクがあります。こちらも乾燥機は使わず、タオルで水分を拭き取ってから陰干しするのが安全です。
水泳帽は薄くて乾きやすいアイテムです。タオルで水気を拭き取るだけで十分乾燥します。乾燥機にかけるメリットはほとんどありません。
特に注意したい子どもの水着の扱い

子どもの水着は、大人用以上に乾燥機の使用を避け、丁寧に取り扱う必要があります。
子どもの水着は、フリルやリボンなどの装飾が付いていることが多く、非常にデリケートな作りになっています。乾燥機の熱と回転は、これらの装飾を傷つけたり、取れやすくしたりする原因になります。
また、子どもの肌は大人よりも敏感です。洗剤のすすぎ残しや、熱で劣化した生地が肌への刺激となることも考えられます。たとえ「ワンシーズンでサイズアウトするから」と考えても、安全に快適な水遊びを楽しむためには、正しいお手入れが不可欠です。

子どもの水着は、使用後に必ず真水でしっかりとすすぎ、優しく手洗いしてあげるのがベストです。愛情を込めてお手入れして、次のシーズンまで大切に保管しましょう。
乾燥機以外の水着の正しいお手入れ方法
- 買った水着は使用前に一度洗うべき?
- 子供の水着の洗い方で気をつけること
- 型崩れを防ぐ競泳水着の干し方
- 失敗しない水着の脱水のコツ
- コインランドリーの乾燥機は使える?
- まとめ:乾燥機と水着の正しい知識
買った水着は使用前に一度洗うべき?

新しく買った水着は、着用する前に一度洗うことを強くおすすめします。
店頭に並ぶまでの製造過程や流通過程で、人の手に触れたり、ホコリや汚れが付着したりしている可能性があります。また、染料や仕上げ剤などの化学物質が残っていることも考えられます。
衛生的な観点からも、またデリケートな肌を守るためにも、おしゃれ着用の中性洗剤を使って優しく手洗いしてから着用するのが安心です。この一手間が、肌トラブルを防ぎ、水着を清潔に保つ第一歩となります。
色落ちの可能性も確認できるため、他の衣類への色移りを防ぐ意味でも、事前の洗濯は重要です。
子供の水着の洗い方で気をつけること

前述の通り、子どもの水着は特に丁寧なケアが求められます。洗い方のポイントは「砂」と「すすぎ」です。
砂の落とし方
海や砂場で遊んだ後は、水着の繊維の奥に砂が入り込んでしまうことがよくあります。濡れた状態で無理にこすると生地を傷める原因になります。
- まずは流水で大まかな砂を洗い流します。
- 水着を完全に乾かします。
- 乾いたら、生地を優しく伸ばしながら指ではじくようにして、中の砂を丁寧に取り除きます。
洗い方とすすぎ
洗い方は、おしゃれ着用の中性洗剤を使った優しい手洗いが基本です。特に、洗剤が残らないように念入りにすすぐことが重要です。洗剤成分が肌への刺激になる可能性があるため、泡が出なくなるまでしっかりと水を取り替えながらすすぎましょう。
型崩れを防ぐ競泳水着の干し方

フィット感が命である競泳水着は、特に干し方に注意が必要です。不適切な干し方は型崩れや生地の伸びに直結します。
競泳水着のNGな干し方
正しい干し方は、「二つ折りにして、風通しの良い日陰で干す」ことです。タオルハンガーなどにかけて、ウエスト部分で半分に折るように干すと、重さが分散されて型崩れを防ぐことができます。

室内に干す場合は、扇風機やサーキュレーターで風を当てると、より早く衛生的に乾かすことができますよ。
失敗しない水着の脱水のコツ

洗濯後の脱水は、水着の形を保つ上で非常に重要な工程です。「強く絞る」のは絶対にNG。繊維が傷つき、型崩れの最大の原因となります。
最もおすすめな方法は、乾いたタオルで水着を挟み、優しく押さえて水分を吸い取る「タオルドライ」です。
タオルドライの手順
- すすぎ終わった水着を、手のひらで軽く押さえて大まかな水気を切ります。
- 乾いたバスタオルの上に水着を広げます。
- タオルで水着を包み込むように、上から優しくポンポンと押さえます。
もし洗濯機で脱水する場合は、必ず洗濯ネットに入れ、脱水時間は30秒~1分程度の最短時間に設定してください。これだけでも生地への負担を大幅に減らすことができます。
コインランドリーの乾燥機は使える?

家庭用の乾燥機がNGである以上、より高温でパワフルなコインランドリーの乾燥機は、言うまでもなく絶対に使用してはいけません。
コインランドリーの乾燥機は、厚手の洗濯物を効率よく乾かすために非常に高い温度設定になっています。このような環境に水着を入れると、一瞬で生地が溶けたり、縮んだり、修復不可能なダメージを受ける可能性が極めて高いです。
そもそも水着やラッシュガードは速乾性の高い素材でできています。わざわざコストをかけてコインランドリーを利用しなくても、室内干しで十分に乾きます。
まとめ:乾燥機と水着の正しい知識
この記事では、乾燥機と水着の関係性や、お気に入りの水着を長持ちさせるための正しいお手入れ方法について解説しました。最後に、重要なポイントをリストで振り返りましょう。
- 水着を乾燥機にかけるのは絶対に避ける
- 乾燥機の熱はポリウレタン(水着の素材)を劣化させ型崩れの原因になる
- ラッシュガードや水泳帽も乾燥機は使用しない
- 特に装飾の多い子どもの水着は丁寧に扱う
- 買った水着は着用前に一度手洗いするのがおすすめ
- 子供の水着についた砂は乾いてから落とす
- 洗い方はおしゃれ着用中性洗剤での手洗いが基本
- 洗剤のすすぎ残しがないよう念入りにすすぐ
- 脱水は強く絞らずタオルドライが最適
- 洗濯機で脱水するならネットに入れて最短時間で
- 干す際は直射日光を避け風通しの良い日陰で
- 競泳水着は二つ折りにして干すと型崩れしにくい
- コインランドリーの乾燥機は家庭用以上に危険なので使わない
- 使用後はすぐに真水で洗い流すことが劣化を防ぐ第一歩
- 正しいお手入れで水着の寿命を延ばすことができる