オーダースーツ｜比較ブログの罠？惑わされない賢い選び方

オーダースーツを作りたいけれど、どのブランドを選べば良いか分からない。そんな時に多くの人が参考にするのが、オーダースーツの比較ブログです。

しかし、そこに書かれている情報を鵜呑みにして良いのでしょうか。実は、ネット上のランキング記事やまとめサイトには、見過ごせない落とし穴が潜んでいることがあります。

この記事では、20代から30代、40代、50代といった幅広い年代の方々に向けて、コスパ最強の一着を見つけるための情報を提供します。

オーダースーツSADAの評判をはじめ、様々なブランドの特徴を解説し、後悔しないオーダースーツ選びの秘訣を徹底的にお伝えします。

失敗しないオーダースーツ比較ブログの選び方

比較ブログに書かれている情報の落とし穴

オーダースーツの比較ブログは、お店選びの参考になる便利な情報源ですが、その内容をすべて鵜呑みにするのは危険です。なぜなら、多くのブログは表面的な情報の比較に終始しているケースが少なくないからです。

例えば、「洗練されたスタイル」や「高品質なスーツが手頃な価格で」といった紹介文は、ほとんどのブランドの公式サイトに書かれている謳い文句を引用したに過ぎません。これでは、各ブランドの本当の強みや特徴は分かりません。

また、実際にスーツをオーダーした経験がない人が、ネット上の情報だけを集めて作成した記事も散見されます。スーツの品質は、縫製工場、芯地の種類、型紙など、ウェブサイトに掲載されていない多くの要素に左右されます。

例えば、CUSTUM LIFEというサイトでは、実際にオーダースーツを作って、完成品の着用写真も掲載されているのでとても参考になります。気になる方はチェックしてみてください。（参照：CUSTUM LIFE「【実施に作って辛口解説】オーダースーツブランドおすすめ人気ランキング｜20代から50代の選び方」）

納期や最低価格は参考程度に考える

オーダースーツの比較ブログでよく見かけるスペック比較表ですが、「納期」と「最低価格」の項目は、あくまで目安として捉えるべきです。

まず、納期は時期や工場の混雑状況によって大きく変動します。繁忙期であれば通常より時間がかかりますし、逆に閑散期であれば早く仕上がることもあります。比較表の納期が1週間早いからという理由だけでお店を決めるのは、あまり意味がないと言えるでしょう。

次に、「最低価格」も注意が必要です。この価格で仕立てられるスーツは、多くの場合、ポリエステル混紡の生地など、選択肢が限られています。ウール100%の生地や、人気のインポート生地を選ぶと、価格は大きく上がります。

パターンオーダーとイージーオーダーの違い

オーダースーツには、主に「パターンオーダー」「イージーオーダー」「フルオーダー」の3種類があります。比較ブログを正しく理解するためにも、それぞれの違いを知っておくことが不可欠です。ここでは、多くのブランドで採用されているパターンオーダーとイージーオーダーについて解説します。

パターンオーダー

パターンオーダーは、既製のゲージ服（見本服）を試着し、そこから着丈や袖丈などを調整していく方法です。ゲージ服を基準にするため、完成形のイメージがしやすいのが最大のメリットです。初めてオーダースーツを作る方や、標準的な体型の方に適しています。麻布テーラーやUNIVERSAL LANGUAGE MEASURE’Sなどがこの方式を採用しています。

イージーオーダー

イージーオーダーは、パターンオーダーよりも一歩踏み込み、ゲージ服を元にしながらも、なで肩やいかり肩、猫背といった体型のクセに合わせた補正を加えることができます。パターンオーダーに比べて調整できる箇所が多く、より体にフィットした一着を作れるのが特徴です。HANABISHIやSADA（マシンメイドフルオーダーと呼称）などがこの方式に近いとされています。

このように言うと、イージーオーダーの方が優れているように聞こえるかもしれませんが、一概にそうとは言えません。ブランドによっては、パターンオーダーでも補正範囲が広かったり、逆にイージーオーダーでも実質的にはパターンオーダーに近かったりする場合があるため、オーダーの種類名だけで優劣を判断しないことが重要です。

コスパ最強のオーダースーツの見極め方

「コスパ最強」という言葉は魅力的ですが、オーダースーツにおけるコストパフォーマンスは、単に価格が安いことを指すのではありません。価格と品質のバランスが取れていて、満足度の高い一着こそが真のコスパ最強スーツと言えます。

では、その見極め方はどこにあるのでしょうか。注目すべきは以下の3つのポイントです。

1. 生地の品質と選択肢

スーツの印象と着心地を大きく左右するのが生地です。最低価格帯のスーツはポリエステル混紡が多いですが、ビジネススーツの基本であるウール100%の生地で比較することが大切です。同じ価格帯でも、扱っている生地の種類やブランドが豊富なお店は、良い生地に出会える可能性が高まります。

2. 標準で付いてくるオプションの内容

ブランドによって、有料オプションの価格設定や、無料で付けられる標準オプションの内容が異なります。例えば、UNIVERSAL LANGUAGE MEASURE’Sでは、袖のボタンを実際に開閉できる「本切羽」や、高級スーツの証である「AMFステッチ」など、他店では有料になることが多い仕様が標準で付いてきます。こうした無料オプションが充実しているブランドは、実質的なコストパフォーマンスが高いと言えるでしょう。

3. 縫製の質

スーツの耐久性やシルエットの美しさを決めるのが縫製です。一般的に、海外縫製よりも国内の自社工場や提携工場で縫製しているブランドの方が、品質管理が安定しているとされています。HANABISHIやSADAなどは国内縫製を強みとしています。

おすすめブランドをランキングで紹介

数あるオーダースーツブランドの中から、比較ブログでも頻繁に取り上げられ、それぞれに異なる強みを持つ人気のブランドをいくつかご紹介します。どのブランドが自分に合っているか、考えるきっかけにしてみてください。

これはあくまで一部のブランドです。他にも、老舗のHANABISHI、コナカグループが運営するDIFFERENCEなど、魅力的なブランドは数多く存在します。この後のセクションで、年代別のおすすめブランドも詳しく解説していきますので、ぜひ参考にしてください。

オーダースーツ比較ブログで見る人気ブランド

オーダースーツSADAの評判を解説

オーダースーツの比較ブログで、その価格の安さから必ずと言っていいほど名前が挙がるのが「オーダースーツSADA」です。ここでは、SADAの評判について、メリットと注意点の両面から深掘りしていきます。

SADAの大きなメリット

SADAの最大の魅力は、なんといってもその圧倒的なコストパフォーマンスです。初回限定であれば2万円台前半からオーダースーツを作ることができ、これは業界でも最安値水準です。安さの秘密は、CAD（自動設計システム）とCAM（自動裁断機）を活用した自社工場での生産体制にあります。

また、SADAは「マシンメイドのフルオーダー」を謳っており、イージーオーダーの範疇で細かな体型補正に対応してくれるため、既製服ではサイズが合いにくい特殊な体型の方にもおすすめできます。

知っておくべき注意点

一方で、注意点も存在します。初回限定の最低価格で選べる生地は、ウールとポリエステルの混紡素材であり、正直なところ、生地の風合いや耐久性の面では上位の生地に見劣りします。日常的に着用するビジネススーツを作るのであれば、ワンランク上のウール100%の生地（3万円台～）から選ぶ方が、結果的に満足度は高くなるでしょう。

また、店舗によっては接客が流れ作業的に感じられるという口コミも見られます。じっくりと相談しながら決めたいという方よりは、ある程度自分の欲しいスーツのイメージが固まっている方向けかもしれません。

20代におすすめのブランドと特徴

20代の方がオーダースーツを選ぶ際は、トレンド感、着回しのしやすさ、そして挑戦しやすい価格が重要なポイントになります。フレッシュな印象を与えつつ、ビジネスシーンでの信頼性も確保できるブランドがおすすめです。

FABRIC TOKYO (ファブリック トウキョウ)

FABRIC TOKYOは、20代から30代のビジネスパーソンに絶大な人気を誇るブランドです。一番の特徴は、一度店舗で採寸すれば、その後はスマートフォンやPCからいつでもオーダースーツを注文できるという利便性の高さにあります。忙しい若手ビジネスパーソンにとって、これは非常に大きなメリットです。

デザインは現代的でスタイリッシュ。ビジネスシーンはもちろん、セットアップとしてカジュアルにも着こなせるようなモデルも豊富です。ストレッチ性や防シワ性、ウォッシャブルといった機能性生地を多く取り揃えているのも、アクティブに動く20代には嬉しいポイントでしょう。

KASHIYAMA (カシヤマ)

「最短1週間」という驚異的な納期で知られるのがKASHIYAMAです。急な出張やイベントでスーツが必要になった際に、非常に頼りになる存在です。こちらもFABRIC TOKYOと同様に、一度採寸すればオンラインで手軽に注文できるシステムを導入しています。

価格帯も3万円台からとリーズナブルで、初めてのオーダースーツに最適です。モダンで洗練された店構えも、若い世代が気負わずに入れる雰囲気を作っています。

30代におすすめのブランドと特徴

30代になると、職場での立場も変わり、後輩や部下を持つ方も増えてくる年代です。スーツ選びにおいても、若々しさに加えて、信頼感や品格が求められるようになります。品質と価格のバランスが取れた、本格的な一着を選びたいところです。

UNIVERSAL LANGUAGE MEASURE’S (ユニバーサルランゲージ メジャーズ)

30代に最もおすすめしたいブランドの一つが、UNIVERSAL LANGUAGE MEASURE’Sです。前述の通り、他店では有料となる本格的なディテール（本切羽、AMFステッチ、天然素材ボタンなど）が標準で付いてくるため、非常に高いコストパフォーマンスを誇ります。

取り扱っている生地も、イタリアの有名ブランド生地などが比較的手頃な価格で選べ、品質にこだわりたい30代のニーズに応えてくれます。接客も丁寧で、親身に相談に乗ってくれると評判です。

麻布テーラー (azabu tailor)

トレンドを意識したスーツスタイルを提案することに定評があるのが麻布テーラーです。クラシックをベースにしながらも、時代に合わせたシルエットやディテールを取り入れており、「お洒落な先輩」という印象を演出できます。

スタッフは定期的に勉強会を行うなど知識が豊富で、こちらの要望を丁寧にヒアリングし、プロの視点から最適な提案をしてくれます。「どんなスーツが良いか分からない」という方でも、安心して相談できるでしょう。

40代におすすめのブランドと特徴

管理職に就く方も多くなる40代では、スーツは単なる仕事着ではなく、自らの社会的地位や信頼性を示すための重要なツールとなります。求められるのは、上質な素材と、体型を美しく見せる丁寧な仕立てです。落ち着きと貫禄を演出できるブランドを選びましょう。

HANABISHI (花菱)

1935年創業の老舗テーラーであるHANABISHIは、40代にふさわしい安心感と品質を提供してくれます。長年の歴史で培われた技術と、完全国内縫製による仕立ての良さが魅力です。

オーダーはイージーオーダーに対応しており、体型の変化が気になり始める40代の身体にも、細かな補正でジャストフィットさせることが可能です。店内は高級感があり、落ち着いた雰囲気の中でじっくりとスーツ選びができます。

DIFFERENCE (ディファレンス)

「紳士服のコナカ」が展開するオーダースーツブランドで、老舗ならではの安心感があります。DIFFERENCEの強みは、丁寧な接客とヒアリングです。プロのテイラーがじっくりと時間をかけて相談に乗ってくれるため、生地選びからデザイン、サイジングまで、納得のいく一着を作り上げることができます。

上質なインポート生地も豊富に取り揃えており、大人の品格を漂わせるスーツを仕立てることが可能です。

50代におすすめのブランドと特徴

50代のスーツスタイルは、まさに円熟味と威厳の象徴です。これまでの経験に裏打ちされた自信と品格を、最高品質のスーツで表現したいものです。生地の素材感、シルエットの美しさ、そして着心地の良さ、そのすべてに妥協しないブランド選びが求められます。

GINZAグローバルスタイル

業界最大級、約5,000種類という圧倒的な生地のバリエーションを誇るのがGINZAグローバルスタイルです。イタリアのエルメネジルド・ゼニアやロロ・ピアーナといった世界的な高級ブランド生地も豊富に揃っており、最高の一着を求める50代の要求に応えます。

専用の個室でオーダーできるプライベートフィッティングルームも用意されており、他のお客様を気にすることなく、ゆったりとした空間で専属のスタイリストと相談しながらスーツを選べるのも、エグゼクティブな世代には嬉しいサービスです。

銀座山形屋

100年以上の歴史を持つ老舗、銀座山形屋は、英国調のクラシックで重厚なスタイルを得意としています。構築的なショルダーラインとシェイプされたウエストが、威厳のあるシルエットを描き出します。

長年の経験を持つ熟練のフィッターが、一人ひとりの体型や要望に合わせて最適な一着を提案してくれます。流行に左右されない、本質的な価値を持つスーツを求める50代に最適なブランドと言えるでしょう。

まとめ｜オーダースーツ比較ブログの賢い活用法