スーツを着用していると、ふとした瞬間に裾や袖のほつれに気づくことがあります。そのとき、このほつれた糸は切るべきか、それとも自分でほつれ直しができるのか、迷う方は少なくないでしょう。
また、スーツの破れ修理はどこで頼めば良いのか、例えばスーツを購入した洋服の青山のような専門店に依頼すべきか、あるいはクリーニング店に任せるべきか、判断が難しい問題です。
特にクリーニング店でのスーツ破れ修理やほつれ直しの料金は気になるところ。一般的なスーツのほつれ直し料金の相場から、ホワイト急便といった大手チェーンのほつれ直し料金まで、具体的な費用は事前に知っておきたい情報です。
この記事では、スーツのほつれや破れが起きた際の適切な対処法から、各種修理サービスの料金相場、依頼先の選び方まで、あなたの疑問を解決するために詳しく解説していきます。
- スーツのほつれを発見した際の正しい応急処置
- クリーニング店やお直し専門店の修理方法と料金相場
- スーツの状態に応じた最適な依頼先の選び方
- スーツを長持ちさせるためのポイント

スーツのほつれ直しはクリーニング店?依頼前の確認事項
- スーツのほつれを発見したら糸は切るべきか
- 応急処置でスーツのほつれを自分で直す方法
- スーツの破れ修理はどこで対応している?
- 洋服の青山にスーツの破れ修理を頼めるか
- 修理に出す前にクリーニングは必要?
スーツのほつれを発見したら糸は切るべきか

スーツの縫い目から糸が飛び出しているのを見つけると、ついハサミで切りたくなりますが、それは避けるべきです。なぜなら、ほつれた糸を安易に切ってしまうと、そこからさらに縫い目がほどけて、ほつれが広がってしまう可能性があるからです。構造的に重要な部分の糸を切ってしまうと、修理がより困難で高額になることも考えられます。
もし糸が長く伸びてしまって気になる場合は、切るのではなく、針を使って優しく生地の裏側へ引き込むようにしましょう。これにより、一時的に見た目を整えつつ、ほつれの拡大を防ぐことができます。根本的な解決にはなりませんが、プロに修理を依頼するまでの応急処置としては有効な手段です。
ほつれ糸を切るのはNG
飛び出した糸を切ると、連鎖的にほつれが広がるリスクがあります。特にジャケットの肩周りやパンツの股部分など、力がかかりやすい箇所の糸は絶対に切らないようにしてください。
応急処置でスーツのほつれを自分で直す方法

「明日もこのスーツを着なければならない」といった緊急時には、自分で応急処置をする方法も存在します。ただし、これらはあくまで一時的な対策であり、恒久的な修理ではないことを理解しておく必要があります。
最も手軽なのは、手芸用の補修テープ(裾上げテープなど)を裏側からアイロンで接着する方法です。これなら針や糸を使わずに、比較的簡単にほつれを固定できます。ただし、洗濯やクリーニングで剥がれてしまう可能性があるため、あくまで一時しのぎと考えましょう。
また、目立たない箇所の小さなほつれであれば、裏側からホチキスや安全ピンで留めるという最終手段もあります。これはスーツ生地を傷つけるリスクがあるため、推奨はできませんが、どうしてもという場合の緊急策として覚えておくと良いかもしれません。

自分で修理することに自信がない場合や、大切なスーツの場合は、無理に応急処置をせず、早めにプロへ相談するのが賢明です。
スーツの破れ修理はどこで対応している?

スーツのほつれや破れの修理をプロに依頼する場合、主に3つの選択肢があります。それぞれの特徴を理解し、状況に応じて最適な場所を選ぶことが大切です。
依頼先 | メリット | デメリット |
---|---|---|
クリーニング店 | クリーニングと同時に依頼でき、手間が少ない。軽微なほつれなら無料サービスの店舗もある。 | 全ての店舗が対応しているわけではない。複雑な修理は専門店に外注となり時間がかかる場合がある。 |
洋服お直し専門店 | 技術力が高く、仕上がりが綺麗。かけはぎなど高度な修理にも対応可能。 | 料金が比較的高めになる傾向がある。修理のみの依頼となるため、別途クリーニングが必要。 |
スーツを購入した店舗 | スーツの生地や構造を熟知しているため安心感がある。共布(ともぬの)が残っていれば最適な修理が期待できる。 | 購入店が遠い場合や閉店している場合は利用できない。 |
手軽さを重視するならクリーニング店、仕上がりの美しさを求めるならお直し専門店、安心感を優先するなら購入店、というように使い分けるのがおすすめです。
洋服の青山にスーツの破れ修理を頼めるか

「洋服の青山」をはじめとする多くのスーツ販売店では、衣類のリフォーム(お直し)サービスを提供しています。ほつれや破れの修理も、このサービスの一環として受け付けている場合がほとんどです。
購入した店舗に持ち込む最大のメリットは、そのスーツのデータが残っていたり、修理に最適な共布を保管していたりする可能性がある点です。特に「かけはぎ」のような修理では、同じ生地を使うことで仕上がりが格段に綺麗になります。
ただし、料金や修理にかかる期間は店舗や修理内容によって異なります。他社で購入したスーツの修理を受け付けているかどうかについても、店舗ごとに対応が違うため、事前に電話などで問い合わせて確認するのが確実です。
スーツを購入した際に付いてくる小さな布切れ(共布)は、修理の際に非常に役立ちます。捨てずに大切に保管しておきましょう。
修理に出す前にクリーニングは必要?

結論から言うと、修理に出す前にはクリーニングをしておくのが望ましいです。これは、お直しを担当する職人さんへのエチケットと言えます。
特にパンツの股ずれや脇の汗ジミなど、汚れが付着しやすい箇所の修理を依頼する場合、汚れた状態のままでは職人さんが気持ちよく作業できません。また、皮脂や汚れが付着した生地は、ミシンの滑りが悪くなったり、アイロンをかける際に汚れが固着してしまったりと、修理の仕上がりに影響を与える可能性もあります。
クリーニングとお直しを両方行っている店舗に依頼する場合は、同時に注文すれば問題ありません。しかし、お直し専門店に持ち込む際は、事前にクリーニングで綺麗にしてから依頼するのがマナーです。どうしても時間がない場合は、せめて濡らしたタオルを固く絞り、汚れた部分を叩き拭きしておくだけでも印象は大きく異なります。
状態別!クリーニング店でのスーツのほつれ直しの料金と依頼方法
- スーツの破れ修理:2つの方法
- 一般的なクリーニング店のほつれ直し料金の相場
- 部位で変わるスーツのほつれ直し料金
- ホワイト急便のほつれ直し料金はいくら?
- 宅配クリーニングの無料修理サービスとは
- まとめ:スーツのほつれ直しはクリーニング店に相談
スーツの破れ修理:2つの方法

スーツの破れを修理する際には、主に2つの方法が用いられます。どちらの方法を選ぶかによって、料金と仕上がりが大きく異なるため、傷の状態や場所、予算に応じて選択することが重要です。
1. かけはぎ(かけつぎ)
「かけはぎ」は、共布(スーツ購入時に付属する同じ生地)を使って、破れた部分の織り糸を再現するように一本一本つなぎ合わせる、非常に高度な技術です。熟練の技術が必要で手間がかかるため料金は高くなりますが、修理跡がほとんどわからなくなるほど綺麗に仕上がるのが最大の特徴です。ジャケットの襟元や正面など、目立つ場所の修理に適しています。
2. ミシンタタキ
「ミシンタタキ」は、破れた箇所の裏から当て布をし、上からミシンで細かくジグザグに縫って傷を塞ぐ方法です。かけはぎに比べて安価でスピーディーに修理できますが、どうしても修理跡が残ってしまいます。股下やポケットの内部など、外から見えにくい場所の修理や、費用を抑えたい場合に選択されることが多いです。
修理方法の選び方
- 目立つ場所の傷:料金は高いが仕上がりが綺麗な「かけはぎ」
- 目立たない場所の傷や予算重視:安価だが跡が残る「ミシンタタキ」
お店の人と相談し、傷の状態と予算に合った最適な方法を選びましょう。
一般的なクリーニング店のほつれ直し料金の相場

クリーニング店でほつれ直しを依頼する場合の料金は、ほつれの場所や大きさ、修理の難易度によって変動します。あくまで目安ですが、一般的な料金相場は以下の通りです。
- パンツの裾や袖口の簡単なほつれ:1,000円前後
- ポケットの淵のほつれ:1,500円~2,500円程度
- ジャケットの裏地を剥がす必要がある修理(背中など):3,000円以上
このように、単純に縫い直すだけで済むのか、あるいは一度他の部分を解いてから修理する必要があるのかによって、手間が大きく変わり、料金に反映されます。小さなほつれでも放置すると修理費用が高くなる可能性があるため、気づいた段階で早めに相談するのが経済的です。
部位で変わるスーツのほつれ直し料金

前述の通り、スーツのほつれ直し料金は、修理する部位によって大きく異なります。ここでは、特にほつれやすい部位と、その修理料金の目安についてもう少し詳しく見ていきましょう。
最も多いのがパンツの裾のほつれです。ここは比較的簡単な作業で済むことが多く、料金も1,000円前後と安価な傾向にあります。
一方で、ジャケットの肩周りや背中の中心部分などは、修理のために裏地を一度取り外す必要があるため、作業が複雑になります。このようなケースでは、料金も3,000円~5,000円、あるいはそれ以上になることも珍しくありません。
股ずれの補強
パンツで特に傷みやすい股の部分には、あらかじめ「シック」と呼ばれる当て布をして補強する加工も依頼できます。新しいスーツを購入した際や、修理のついでに依頼しておくと、スーツが長持ちするためおすすめです。
ホワイト急便のほつれ直し料金はいくら?

大手クリーニングチェーンである「ホワイト急便」でも、衣類のリフォームサービスを提供しています。ズボンの裾上げやウエスト調整といった一般的なお直しから、ほつれや破れの修理まで幅広く対応している場合があります。
ただし、ホワイト急便は全国に多くの店舗があり、各エリアや店舗によってサービス内容や料金体系が異なるのが実情です。そのため、「ほつれ直し一律〇〇円」といった決まった料金設定はなく、修理したい衣類を直接店舗に持ち込み、見積もりを出してもらう必要があります。
お近くのホワイト急便がリフォームサービスに対応しているか、また料金はいくらになるかについては、公式サイトで店舗情報を確認の上、直接問い合わせてみるのが最も確実です。

「早い・安い・美しい」を掲げるホワイト急便ですが、リフォームの料金は状態次第です。まずは気軽に持ち込んで相談してみましょう。
宅配クリーニングの無料修理サービスとは

近年利用者が増えている宅配クリーニングサービスの中には、ボタンの付け直しや軽微なほつれ直しを無料で行ってくれるところがあります。これは、店舗型のクリーニング店にはない、非常に魅力的なサービスです。
例えば、「クリーニングモンスター」では、クリーニングの工程の一環として、専門スタッフが衣類の状態をチェックし、簡単な修理を無料の標準サービスとして提供しています。
無料修理のメリット
- クリーニングに出すだけで、気づかなかったほつれまで直してくれることがある。
- 追加料金がかからないため、非常にお得。
- 自宅にいながら全て完結するため、店舗に持ち込む手間が省ける。
もちろん、全てのほつれや破れが無料になるわけではなく、修理の範囲は各社の規定によります。しかし、数着まとめてクリーニングに出すついでに、簡単なメンテナンスもお願いしたいという方にとっては、非常にコストパフォーマンスの高い選択肢と言えるでしょう。

まとめ:スーツのほつれ直しはクリーニング店に相談
スーツのほつれや破れは、放置すると見た目が悪いだけでなく、状態が悪化して修理費用もかさんでしまいます。この記事で解説したポイントを参考に、ご自身の状況に合った最適な対処法を見つけてください。
- スーツのほつれた糸を自分で切るのは避ける
- 応急処置はあくまで一時的なものと心得る
- 修理の依頼先はクリーニング店、お直し専門店、購入店の3択
- 洋服の青山などスーツ専門店でも修理を受け付けている
- 修理前にはクリーニングをしておくのがマナー
- 破れ修理には高価で綺麗な「かけはぎ」がある
- 安価な修理方法として「ミシンタタキ」がある
- 簡単なほつれ直しの料金相場は1,000円前後から
- 背中など複雑な修理は3,000円以上かかる場合もある
- ホワイト急便の料金は店舗への持ち込み見積もりが必要
- 宅配クリーニングの「クリーニングモンスター」では簡単なほつれ直しが無料
- 仕上がり重視ならお直し専門店がおすすめ
- 手軽さ重視ならクリーニング店が便利
- 購入時に付いてくる共布は大切に保管する
- 傷みが進む前に早めにプロへ相談することが重要