ユニクロのオーダースーツが、「高品質なのに手頃な価格で手に入る」と話題になっています。ジャストサイズのスーツを気軽に試せるとあって、気になっている方も多いのではないでしょうか。
でも、いざユニクロのオーダースーツを注文しようと考えると、いろいろな疑問や不安が浮かんできませんか?
『そもそも店舗での採寸って予約が必要なの? ふらっと行っても大丈夫?』
『レディースの取り扱いはある? どこの店舗でも作れるの?』
『オンライン注文との違いや、値段、納期がどれくらいかも詳しく知りたい』
『もしサイズが合わなかったら返品できるのかな?』
『実際に店舗で買った人の評判も気になる…本当にジャストサイズになるの?』
このように、初めての利用では分からないことも多いはずです。
この記事では、ユニクロのオーダースーツ(UNIQLO CUSTOM ORDER)を店舗で購入する際の一連の流れや、知っておくべき注意点、オンラインとの違いについて詳しく解説します。
店舗でのオーダーを検討している方の不安や疑問を解消し、安心して注文できるようお手伝いします。
- ユニクロのオーダースーツ(メンズ・レディース)の種類と値段
- 店舗での採寸予約から注文完了までの流れ
- オーダースーツ取り扱い店舗の探し方と注意点
- 購入前に知るべき返品ルールや失敗しないコツ
ユニクロのオーダースーツ|店舗での購入プロセス

まずは、実際に店舗へ行ってから注文が完了するまでの流れを見ていきましょう。
「オーダースーツ」と聞くと少し身構えてしまいますが、ユニクロの場合はどうなのでしょうか。どんなスーツが選べて、どれくらいの時間がかかるのか、解説します。
オーダーできるスーツの種類と値段
ユニクロのカスタムオーダーでは、大きく分けて2つのタイプのスーツが用意されています。それぞれの特徴と価格の目安を見ていきましょう。メンズもウィメンズも、「高性能志向」と「本格志向」の2種類から選べます。
メンズ
ウィメンズ
| カテゴリ | 商品名 | 価格(目安) | 特徴 |
|---|---|---|---|
| メンズ | 感動ジャケット/パンツ | 10,980円~ | 軽量・ストレッチ・速乾。高機能素材。 |
| メンズ | ストレッチウールジャケット/パンツ | 27,890円~ | 上質ウール(Super110’s等)。本格的な仕立て。 |
| ウィメンズ | 感動ジャケット・パンツ | 10,980円~ | 軽量・ストレッチ・速乾。パンツスタイルのみ。 |
| ウィメンズ | ストレッチテーラードジャケット/パンツ・スカート | 13,980円~ | ウールライクな上質な質感。スカートも選べる。 |
ユニクロの「感動パンツ」については、別の記事で詳しく解説しています。気になる方はこちらもチェックしてみてください。
店舗での採寸からオーダー完了までの所要時間
店舗での採寸からオーダー完了までの所要時間は、約30分が目安です。
この「約30分」には、以下の内容が含まれています。
- 専門スタッフによる採寸(実寸計測)
- サンプルの試着
- 生地やカラー、シルエットの決定
- 補正(丈)の決定
- 注文手続き・会計
もちろん、これはあくまで目安の時間です。じっくりと相談したい場合や、どの生地にするか迷ってしまった場合は、もう少し時間がかかるでしょう。
混雑時の注意
土日祝日や、新生活・就職活動シーズン(春先など)は、店舗が混雑する可能性が非常に高いです。その場合、採寸スタッフの方の順番待ちで30分~1時間以上待つことも考えられます。
もし週末に訪問する場合は、所要時間30分+待ち時間として、トータルで1時間~1時間半程度は見ておくと安心でしょう。
店舗への来店予約は必要か?

「オーダースーツ」と聞くと、紳士服店のように事前に電話やWebで予約が必要なイメージがありますよね。
しかし、ユニクロのカスタムオーダーは原則として来店予約は不要です。
これは「オーダーメイド感覚で選ぶ」というコンセプト通り、より多くの人に「気軽に」試してもらいたいというユニクロの戦略なのだと思います。ふらっと立ち寄った際に「ちょっと採寸だけお願いできますか?」と声をかけられる手軽さは、大きなメリットです。
ただし、予約が不要な分、先ほどお話しした「待ち時間」が発生する可能性があります。
スムーズに案内してもらうには?
もし「待つのは絶対に嫌だ」「専門スタッフの方にじっくり相談したい」という場合は、以下の時間帯を狙って訪問するのがおすすめです。
- 平日の開店直後(午前中)
- 平日の夕方前(15時~17時頃)
比較的、店内が空いている時間帯を狙いましょう。
店舗での採寸から注文までの流れ
では、実際に店舗でどのように採寸して注文するのか、具体的なステップをもう少し詳しく見ていきましょう。
ステップ1:専門スタッフによる採寸
まず、カスタムオーダーの取り扱いがある店舗で、採寸可能なスタッフの方に声をかけます。(「カスタムオーダーの採寸をお願いしたいのですが」と伝えれば大丈夫です)
試着室(フィッティングルーム)に案内され、専門のスタッフの方が1対1で対応してくれます。ここで、以下の数値をメジャーで測ってくれます。
- 胸囲(バスト)
- ウエスト
- 腕の長さ(裄丈)
- 股下(レングス) など
そして、ここが重要なのですが、ただ測るだけでなく、豊富なサイズが用意された「試着用サンプル」(ゲージ服とも呼ばれます)を実際に着用します。このサンプルをベースに、スタッフの方が最適な基本サイズを提案してくれます。「実寸」と「試着」のダブルチェックができるので、安心感がありますね。
ステップ2:カスタマイズ内容の決定
採寸データと試着の結果をもとに、細かい仕様を決めていきます。
ステップ3:補正(アジャスト)の決定
ここが「カスタムオーダー」の肝です。ステップ2で選んだ基本サイズをベースに、ジャストフィットさせるために以下の3箇所の「丈」を調整します。
- ジャケットの「着丈」: 2cm刻みで調整可能
- ジャケットの「袖丈」: 1cm刻み(ストレッチウール)または 2cm刻み(感動)で調整可能
- パンツの「裾丈」: 1cm刻みで調整可能
「既製品だと、袖だけいつも長いんだよね…」といった悩みを、ここでピンポイントに解決できます。
ステップ4:注文・支払い
全ての仕様(モデル、色、サイズ、補正値)が確定したら、店舗のレジにて注文と決済を行います。採寸したデータや決定した仕様はスタッフの方が管理し、レジで最終確認の上、手続きを進めてくれます。
注文後の納期と受取り方法

注文したスーツは、工場で補正・加工が行われた後、「ご自宅配送」で受け取るのが基本となります。
ユニクロのカスタムオーダーは、その「納期」の速さも驚異的です。
驚きの納品スピード(目安)
- 感動ジャケット:なんと最短で翌日配送
- ストレッチウールジャケット:最短5~9日で配送
一般的なオーダースーツが約1ヶ月(またはそれ以上)かかることを考えると、このスピードは圧倒的です。「来週の急な出張までに、新しいスーツが欲しい」といったニーズにも応えられます。これは、ユニクロが持つ強固な生産・物流システムがあってこそ実現できることでしょう。
ちなみに、ストレッチウールジャケットを注文した場合は、保管や持ち運びに便利な「ガーメントケース」が付属します(感動ジャケットには付属しません)。
店舗受取りは可能?
「自宅受け取り」が基本とされています。
送料を節約したい場合など、店舗での受け取りを希望される方は、注文時に店舗スタッフの方へ「店舗での受け取りは可能ですか?」と直接確認するのが確実です。
ユニクロのオーダースーツ|取り扱い店舗と注意点

店舗での購入プロセスが具体的にイメージできたところで、次に「どこの店舗で買えるのか?」そして「店舗で買う場合の注意点」について、さらに詳しく見ていきたいと思います。
ここが、失敗しないために一番重要なポイントかもしれません。
オンライン注文と店舗注文の違い
ユニクロのカスタムオーダーは、実はオンラインストアからでも注文可能です。「それなら、わざわざ店舗に行かなくてもいいのでは?」と思うかもしれません。
オンラインストアには「MySize ASSIST」(身長・体重などを入力)や「MySize CAMERA」(スマホで写真を撮る)といった自動採寸機能があります。これ自体はとても便利なのですが、やはりAIによる「推定」です。
あえて店舗に行く最大のメリットと、オンラインとの違いは以下の点にあります。
| 比較項目 | 店舗注文 | オンラインストア注文 |
|---|---|---|
| 採寸方法 | 専門スタッフによる実寸計測+試着サンプルでの確認 | 自己採寸 または MySize ASSIST / CAMERAによる自動推定 |
| 採寸の正確性 | 高い(プロによる実寸と試着で確認できる) | 低い(推定であり、採寸ミスのリスクは自己責任) |
| 生地・色の確認 | 実物(サンプル)を見て、触って確認できる | 画面上の色味で判断するしかない |
| 安心感 | 高い(相談しながら決められる) | 低い(すべて自分で判断する必要がある) |
| 最大のリスク | スタッフのスキルに差がある可能性(後述) | 採寸ミスをしても「返品・交換不可」 |
店舗注文の真の価値
店舗注文の最大の価値は、「採寸失敗のリスクを最小限に抑えられること」、そして「生地の実物を触って確認できること」に尽きます。
特に、約2.8万円と高額になる「ストレッチウールスーツ」を、返品不可の条件で、画面の推定採寸だけを信じて購入するのは、私には勇気が出ません…
特に初めてユニクロのカスタムオーダーを利用する方は、一度、店舗で正確なサイズを測ってもらうことを強くおすすめします。
採寸できる店舗リスト
「じゃあ、どこの店舗に行けばいいの?」となりますよね。ここで注意が必要なのは、カスタムオーダーの「試着用サンプル」は、すべてのユニクロ店舗に置いてあるわけではない、ということです。
「近所のユニクロに行ったのに、取り扱いがなかった…」という無駄足を防ぐためにも、訪問前に必ず公式サイトで取り扱い店舗を検索してください。
公式サイトでの検索手順
お近くの対象店舗は、ユニクロの公式サイトにある「カスタムオーダー」のページで簡単に見つけることができます。
- ユニクロ公式サイトの「カスタムオーダー」ページを開きます。
- 「取扱店舗」の項目を探します。
- 「MEN&WOMEN」と「MEN」に分けて取扱店舗一覧があります。
これで、お近くの対象店舗がリストアップされます。訪問する前に、必ずこの方法で最新の情報を確認するようにしてくださいね。
レディース対応店舗の探し方

特に女性の方は、もう一段階注意が必要です!
前述の通り、カスタムオーダーの取り扱い店舗には、実は2種類あります。
カスタムオーダー取り扱い店舗の種類
- 「MEN」のみ対応の店舗(全国約700店舗)
→メンズの試着用サンプルのみ設置されています。 - 「MEN & WOMEN」両方に対応の店舗(全国約180店舗)
→メンズとウィメンズ、両方の試着用サンプルが設置されています。
ウィメンズ(レディース)の採寸ができるのは、この「MEN & WOMEN」対応の店舗だけです。
「MEN」のみ対応の店舗(約700店)に比べて、「MEN & WOMEN」対応の店舗(約180店)は数が限られています。都市部には複数あっても、地域によっては県内に1~2店舗しかない、というケースも十分にあり得ます。
こちらも、先ほどの店舗検索で「MEN & WOMEN」の取扱店舗一覧に記載のある店舗を探してください。女性の方で採寸を希望される場合は、この点をしっかり確認してからお店に向かいましょう。
店舗での失敗?評判とリスク
実際に店舗で購入した人の評判はどうなのでしょうか。
「この品質でこの価格はコスパ最強」「縫製がすごく丁寧で、デパートのスーツと遜色ない」「ウールの生地感が良い」といった、品質と価格のバランスを絶賛する声が非常に多いようです。これは期待が高まりますね。
一方で、いくつか注意すべきリスクも指摘されています。
リスク:セミオーダーの構造的限界
これはユニクロのサービスが悪いというわけではなく、「セミオーダー」という仕組みが持つ構造的な限界です。先ほども触れましたが、ユニクロのカスタムオーダーは、あくまで「丈」の調整に特化しています。
注意:体型補正はできません
例えば、以下のような個別の体型のクセ(体型補正)には対応していません。
- なで肩、いかり肩(肩の傾斜補正)
- 反り腰、猫背(前後のバランス補正)
- O脚、X脚(パンツのライン補正)
もし、ご自身が「標準体型から大きく外れている」という自覚がある場合、丈を合わせても肩回りや腰回りがフィットせず、不自然なシワが出てしまう…という可能性もゼロではありません。
試着サンプルを着た時点で「何か違和感がある」と感じたら、スタッフの方に「こういう体型なんですが、フィットしますか?」と率直に相談してみることが大切です。
「返品・交換不可」のルール

カスタムオーダー(セミオーダー)で購入した商品は、いかなる理由があっても「返品・交換」が一切できません。
「家に帰って着てみたら、サイズが合わなかった」
「思っていた色とイメージが違った」
このような理由であっても、一切、受け付けてもらえません。
これは、お客様一人ひとりの指定した「丈」に補正・加工してしまった商品は、もはや他の人には売れない「一点もの」になってしまうため、当然のルールとも言えます。
この厳格なルールがあるからこそ、先ほどお伝えした「店舗での正確な採寸」と「試着時の徹底した確認」が、何よりも重要になってくるわけですね。
スタッフの採寸スキルに差がある?
「専門スタッフが採寸してくれる」というのは、私たち利用者にとって大きな安心材料です。
ただ、一部の口コミやレビューでは、「スタッフさんによって採寸の技術や知識に差があるかもしれない」といった声も見受けられました。
これは想像ですが、ユニクロの店員さんは普段、Tシャツやジーンズといったカジュアルウェアを販売することがメインです。もちろん研修は受けていらっしゃると思いますが、何十年もスーツだけを扱ってきたオーダースーツ専門店の「フィッター」と呼ばれる方々と、同レベルの知識や経験(例えば、体型補正の提案など)を求めるのは、違うのかもしれません。
失敗しないための自衛策:自分の感覚を信じ、納得するまで質問する
採寸での失敗を防ぐために、私たちができる最も重要な自衛策があります。それは、スタッフの方の提案を鵜呑みにしないことです。
スタッフの方の提案は「あくまでプロの提案」として参考にしつつ、試着サンプルを着た「自分の感覚」を一番に信じて最終判断してください。
「専門家がこう言ったから大丈夫だろう」と受け身になるのではなく、
- 「袖が少し短い気がするのですが、もう1cm長くできますか?」
- 「着丈は、今提案された長さと、もう2cm短い場合と、両方見比べてみたいです」
- 「スリムとレギュラー、両方着てみてもいいですか?」
このように、自分が100%納得するまで、質問と調整を繰り返す姿勢が、「思っていたのと違う…」という失敗を防ぐ最大のコツです。「こんなこと聞いたら迷惑かな」と遠慮する必要は一切ありません!
まとめ:ユニクロの店舗でオーダースーツを賢く買うコツ
最後に、これまでの情報を踏まえて、ユニクロのオーダースーツを賢く買うためのコツをまとめます。
1. セミオーダーの限界と利点を理解する
まず、これは「体型補正」ではなく「丈補正」のサービスである、と正しく理解することが大切です。「既製品だと袖丈や裾丈だけが合わない」といった、標準体型に近い方にとっては、まさに最適なサービスです。
2. 初回は店舗で採寸する
「返品・交換不可」という最大のリスクを回避するため、特に初めて利用する方は、オンラインの自動採寸に頼るのではなく、店舗で専門スタッフによる実寸採寸と試着をすることを強くおすすめします。
3. 試着時に「自分の感覚」を信じ、妥協しない
スタッフの方の提案に任せきりにせず、必ず自分でフィット感を徹底的に確認しましょう。「とりあえずこれで良い」という中途半端な判断は、絶対に避けるべきです。納得がいくまで質問と調整を依頼しましょう。
4. 採寸データをオンライン連携できるか確認する
これは、今後の利便性を左右する重要な確認事項です。
店舗での採寸時に、「今回の採寸データを、自分のユニクロアカウント(アプリ)に保存・連携できますか?」と、必ずスタッフの方に確認してください。
なぜ「データ連携」の確認が重要?
もし、このデータ連携が可能であれば、次からが非常に、非常に楽になります。
2着目以降は、採寸ミスのリスクなく、面倒な採寸や店舗訪問をすべてスキップして、オンラインストアから手軽に「自分専用サイズ」のスーツを追加注文できるようになるからです。
これが可能かどうかで、このサービスの継続的な利用価値がまったく変わってきます。店舗訪問は「初回のみ」のデータ取得のための投資として完了できるかもしれないので、これは絶対に確認すべき最重要事項です。
ぜひ、これらのポイントを押さえて、ユニクロの店舗で素敵なオーダースーツ体験をしてみてくださいね。


