冬のハンドメイドに欠かせないフェイクファーテープを100均で探している方は多いはずです。
ダイソーやセリア、キャンドゥなどの店舗では、手軽に季節感を取り入れられる魅力的なアイテムが並んでいます。しかし、いざ使おうとすると、切り方や付け方に悩んだり、種類が多すぎてどれを選べばいいか迷ったり、抜け毛や洗濯の方法が気になったりすることもあるでしょう。
100均の素材でも、コツさえ掴めば驚くほど高品質な作品に仕上がります。この記事では、選び方のポイントや、失敗しないためのリメイクテクニックを詳しく紹介します。
- 100均各社のフェイクファーテープの特徴と選び方
- プロ級の仕上がりを実現する正しい裁断方法と抜け毛対策
- 初心者でも失敗しないボンドや手縫いを使ったリメイクの具体的な手順
- お気に入りの作品を長く愛用するための正しいメンテナンス方法
フェイクファーテープを100均で賢く選ぶためのコツ
100均のフェイクファーテープは、近年のエシカル消費やエコファーへの関心の高まりを受けて、年々クオリティが向上しています。安価な素材だからこそ、選び方や下準備にこだわることで、専門店に負けない高級感を出すことが可能です。
ここでは、購入時にチェックすべきポイントや、素材の特性について深掘りしていきます。
ダイソーやセリアで買えるフェイクファーテープの種類

100均の店頭には、毎年9月頃から冬にかけて多彩なフェイクファーテープが登場します。
主要な100均チェーンであるダイソー、セリア、キャンドゥでは、それぞれ少しずつラインナップの傾向が異なります。私が実際に店舗を回って感じたのは、各社がターゲットとする層に合わせて、微妙に毛並みや色調を変えているという点です。
店舗ごとの特徴とサイズ展開
私がよく利用するダイソーでは、ボリューム感のあるタイプや、長さが180cmほどあるロングサイズが110円(税込)で手に入る傾向があります。とにかく分量が必要なリメイクには非常に心強い存在です。
一方、セリアはデザイン性に優れており、ミルクティーベージュやグレージュ、スノーホワイトといった、ファッションに馴染みやすいニュアンスカラーの展開が非常に充実しています。トレンドを反映したバリエーションが多く、無駄なく材料を使い切りたい方に適しています。
素材構成と選び方の基準
これらの製品の多くは、パイル部分が「アクリル」、ベースの土台部分が「ポリエステル」で構成されています。アクリルはウールに近い柔らかな風合いを持ち、保温性が高く、発色が良いのが特徴です。
購入する際は、店頭でテープを軽く指で広げてみて、ベースの布地(地肌)が見えにくい、密度の高い個体を選ぶのが「高見え」させるための鉄則です。また、裏側のテープ部分に歪みがないか、端がほつれていないかも併せて確認すると、その後の作業がスムーズになります。
100均のファー製品は季節限定のため、11月を過ぎると人気のカラーから順に売り切れてしまう傾向があります。特にホワイトやベージュ系は在庫の回転が非常に早いため、見つけたときに必要分を確保しておきましょう。
専門店と比較した100均ファーテープの品質とコスパ

手芸専門店(オカダヤやユザワヤなど)で販売されているファーテープと、100均の製品を比較すると、まず驚くのがその価格差です。
専門店では180cm分を購入しようとすれば、500円から800円程度かかることが一般的ですが、100均ならその4分の1から8分の1の価格で手に入ります。この価格差がどこから生まれるのか、そしてどちらを選ぶべきかを考える必要があります。
品質と用途の使い分け
専門店のファーは毛の密度が非常に高く、土台の織りもしっかりしているため、アニマル柄などの複雑なパターンや、極端に毛足が長いものなどバリエーションが豊富です。長期にわたって愛用するコートの襟元などを本格的に自作する場合は専門店が向いています。
しかし、日常使いのトートバッグの縁取りや、子供用の工作、ワンシーズン限定のトレンドアイテム製作であれば、100均の製品で十分すぎるほどのクオリティが出せます。特に最近の100均ファーは、アクリル繊維の改良により手触りが非常に滑らかで、一見しただけでは安価な素材とは気づかれないほどです。
コストパフォーマンスの真価
リメイク初心者にとって、高価な素材にハサミを入れるのは勇気がいりますが、100均素材なら失敗を恐れずに挑戦できるという精神的なメリットも無視できません。低予算で複数の色を揃えて、気分に合わせてバッグをカスタマイズできる「気軽さ」こそが、100均フェイクファーテープの最大の強みだと言えるでしょう。
| 比較項目 | 100均製品 | 手芸専門店製品 |
|---|---|---|
| 価格(目安) | 110円(税込) | 550円 〜 880円 |
| カラー・柄 | トレンド重視の数色 | 豊富(アニマル柄含む) |
| 毛の密度 | 標準的(個体差あり) | 高い(ボリューム重視) |
| 主な用途 | 気軽なリメイク、工作 | 高級衣類、長期使用目的 |
フェイクファーテープの切り方のコツ

ファーテープを扱う上で、仕上がりを左右する最大の工程が「裁断」です。多くの方が普通の布と同じように表側(毛がある面)からハサミを入れてしまいますが、これは最も避けるべき行為です。表から切ると、本来維持されるべき長い毛先まで一直線に切り揃えてしまい、切り口がパツンと不自然な直線になってしまいます。これではせっかくの質感が台無しです。
裏面から切る「黄金律」の徹底
美しく仕上げるための鉄則は、必ずテープを裏返し、ベースの生地側から作業することです。
まず、カットしたい位置の毛を左右に丁寧にかき分けます。次に、ハサミの刃を大きく開かず、先端部分だけを使ってベースの布地だけを掬い取るように小刻みに切っていきます。こうすることで、パイル(毛)を一本も無駄に切ることなく、土台だけを分離させることができます。
切り終わった後に表に返すと、毛足が断面を覆うように重なり、どこでカットしたのか分からないほど自然な仕上がりになります。
カッターを活用した上級テクニック
さらなる精度を求めるなら、ロータリーカッターやデザインナイフの使用がおすすめです。裏面の土台布に定規を当て、軽い力で数回刃を通すと、毛を全く傷つけずに土台の織り糸だけを切断できます。
この方法は特に、バッグの持ち手など直線的なカットが必要な際に非常に有効です。道具一つで、素人っぽさを完全に消し去ることができるので、ぜひ試してみてください。
抜け毛を防ぐ下準備と粘着クリーナーでの簡単な対策法
「100均のファーは毛が抜けやすいから苦手」という声をよく耳にしますが、その不満の多くは適切な下準備で解消できます。
実は、ファーそのものが抜け続けているのではなく、製造時や裁断時に発生した「残毛(切り屑)」がテープに付着しているだけであることが多いのです。これを作業前に取り除いておくだけで、完成後のストレスは劇的に軽減されます。
私は新しいテープを袋から出したら、まず屋外やベランダで軽く振り、浮いている毛を振り落とします。次に、カットした断面の端部分を指で優しくつまみ、抜けかかっている毛を引き抜きます。このとき、無理に引っ張るのではなく、あくまで土台から離れている毛だけを取り除くのがポイントです。家の中で作業する場合は、新聞紙を広げた上で行うと後片付けが楽になります。
仕上げに粘着クリーナー(コロコロ)を全体にかけます。ただし、新品のクリーナーは粘着力が強すぎて必要な毛まで抜いてしまう恐れがあるため、一度手のひらや服の裾などに当てて粘着力を少し落としてから使うのがコツです。毛並みに沿って優しく転がすことで、微細な埃や残った切り屑が完全に取り除かれます。
これらのひと手間で、抜け毛を気にせず100均ファーを快適に使いこなせるようになります。
折り癖を直してふわふわに!ブラッシングと蒸気での復元

100均のファーテープは、流通コストを抑えるためにコンパクトに折り畳まれてパッキングされています。そのため、開封直後は毛が一定方向に寝てしまっていたり、鋭い折り癖がついたりしているのが一般的です。
このまま作品に使うと「安っぽさ」が出てしまいますが、簡単な物理的ケアで、見違えるほどふんわりとしたボリュームが復活します。
ブラッシングによる空気の取り込み
まずは、毛先を整えるためにブラッシングを行いましょう。ペット用のスリッカーブラシや、100均でも手に入る粗目の櫛が適しています。
毛の根元から毛先に向かって、空気を送り込むようなイメージで優しくブラッシングしてください。これだけで繊維が一本ずつ独立し、特有のツヤとふわふわ感が戻ってきます。力を入れすぎると土台の織り糸を傷めるため、表面を撫でるように行うのがポイントです。
蒸気の熱可塑性を利用した高度な復元
頑固な折り癖が取れない場合は、スチームアイロンの蒸気が非常に効果的です。
フェイクファーの主原料であるアクリルは熱に弱い一方で、適度な熱を加えると形を整えやすい性質(熱可塑性)を持っています。アイロンを10cm以上離して蒸気だけを数秒当て、その後すぐに指で毛を逆立てるように整えてください。
アイロンを直接生地に接触させるのは厳禁です。熱で繊維が溶けて固まり、修復不能になるリスクがあるため、必ず蒸気のみを使用してください。このひと手間で、まるで専門店で購入したような高級感のある質感に仕上がります。
100均フェイクファーテープで楽しむリメイク術
素材の準備ができたら、次はいよいよ実践的なリメイクに挑戦しましょう。
100均のファーテープは、その形状から「エッジ(縁取り)」としての装飾にとても便利な素材です。既存のアイテムに少し足すだけで、驚くほど印象が変わります。
バッグの持ち手を冬仕様に変えるリメイクアイデア

手持ちのシンプルなトートバッグや、100均のキャンバスバッグを冬仕様にアップデートするリメイクは、最も費用対効果が高い活用法です。
特に、手に触れるハンドル(持ち手)部分は、ファーを加えるだけで見た目も使い心地も一気にグレードアップします。
ハンドルカバーの具体的な製作プロセス
ダイソーなどで手に入る70cm規格のファーテープは、一般的な肩掛けバッグのハンドルにちょうど良い長さです。テープをハンドルの長さに合わせてカットし、中表(毛の面を内側)に折って端を縫い合わせれば、簡単に取り外し可能な筒状のカバーが完成します。
また、カゴバッグの縁に一周回して貼り付ける「冬のカゴバッグ」リメイクもおすすめです。カゴのナチュラルな素材感とファーの温かみは相性が抜群で、季節を跨いでアイテムを活用できるようになります。
アクセントとしての活用
ハンドル全体を覆うのが大変な場合は、付け根の部分にだけ小さく巻き付けたり、バッグの開口部の内側からチラリとファーが見えるように配置したりするのも、洗練された印象を与えます。異素材であるキャンバスやデニムとファーを組み合わせることで、素材のコントラストが際立ち、既製品にはないオリジナルの一品が生まれます。
ボンドや手縫いで簡単!フェイクファーテープの付け方

ファーテープを取り付ける際には、用途や求める強度に合わせて「接着」と「縫製」を使い分けるのが成功の秘訣です。どちらの方法も、ファー特有の「毛足の長さ」を味方につけることで、初心者でも驚くほど綺麗に仕上げることができます。
失敗しない布用ボンドの接着術
針と糸を使わずに手軽に仕上げたい場合は、布用ボンドが最適です。特に「裁縫上手」のような粘度の高いボンドは、ファーの土台をしっかりと捉えてくれます。
コツは、バッグ側に5cm〜10cmずつボンドを塗り、少しずつ貼り進めることです。一気に全体に塗ってしまうと、位置がズレたり、乾く前に毛がボンドに触れて固まってしまう原因になります。
ボンドを塗った後は、ヘラなどで端までしっかりと押し付け、洗濯バサミなどで完全に乾燥するまで固定してください。
ボンドを使用する際は、液がパイル部分(毛の表面)に染み出さないよう注意してください。一度毛が固まると質感を戻すのは非常に困難なため、少量ずつ慎重に塗布するのがコツです。
手縫いでの「継ぎ目なし」仕上げ
重い荷物を入れるバッグなど、強度が欲しい場合は手縫いが推奨されます。
ファーの良いところは、長い毛足が縫い目や糸を完全に隠してくれることです。多少縫い目が荒くても、毛をかき分けて土台同士を「かがり縫い」していけば、接合部がファーに埋もれて全く見えなくなります。この特性を活かせば、初心者でもまるで継ぎ目のない一本のファーで作られたような、ハイクオリティな仕上がりを実現できます。
キャンドゥなど各店舗の売り場で見つかる最新トレンド
100均のハンドメイド資材は、ファッション業界のトレンドを驚くほど早く取り入れています。
キャンドゥをはじめとする各社の売り場では、従来の単色ファーだけでなく、より高度なデザインを可能にする素材が続々と登場しています。
大人女子に人気のニュアンスカラー
最近のトレンドの中心は、単なる「白」や「黒」ではなく、「ミルクティーベージュ」や「モカブラウン」「スモーキーグレー」といった、絶妙なニュアンスカラーです。これらの色は、手持ちのコートや服の色に馴染みやすく、100均素材特有の「浮いた感じ」が出にくいのが特徴です。
また、毛足が不揃いにカットされた「シャギータイプ」や、光の反射で質感が変わるタイプなど、一見しただけでは110円とは思えないほど手の込んだバリエーションが増えています。
店内を賢く回るチェックポイント
ファーテープは通常、手芸用品コーナーに置かれていますが、冬場は季節のイベントコーナーや、マフラー・手袋などの衣料小物売り場の近くに特設会場が設けられることもあります。
キャンドゥなどでは、生活雑貨と組み合わせたディスプレイがされていることもあるため、店内を一周してみると、リメイクの新しいインスピレーションが湧いてくるかもしれません。
お目当ての色がない場合も、他店舗から在庫が入るタイミングを確認してみる価値はあります。
余った断片で手軽に作れる!アクセサリーのリメイク方法
大きなリメイクが終わった後に残る、10cmや20cmの小さなファーの断片。これを捨ててしまうのは非常にもったいないです。
フェイクファーはその質感自体に存在感があるため、小さなパーツこそが、日常を彩る素敵なアクセサリーに生まれ変わります。
ファーリボンとビジューのコサージュ
約20cmのファーテープを二つに折り、中央をワイヤーや太めの糸でギュッと絞れば、ボリュームのあるファーリボンが完成します。中央の結び目部分に、同じく100均で買えるパールやビジューをボンドで貼り付ければ、華やかなコサージュになります。
裏面にブローチピンを付ければ、シンプルなニットやストールのアクセントとして大活躍します。ヘアゴムを通せば、冬限定の可愛らしいヘアアクセにもなります。
カチューシャやバレッタへの転用
100均のシンプルなカチューシャの土台にファーテープを一周貼り付けるだけで、有名ブランドのアイテムのような高級感のあるヘッドドレスが出来上がります。
また、金属のバレッタ土台にファーを貼るのもおすすめです。小さなパーツを作る際は、特に端の処理を丁寧に行い、接着剤が毛先に付かないよう慎重に作業すると、市販品と遜色ない「高見え」アイテムが仕上がります。
余り布の活用は、ハンドメイドを最後まで楽しむための最高の工夫です。
洗濯の失敗を防ぐ!フェイクファーを長持ちさせるコツ

お気に入りのリメイク作品を長く愛用するためには、適切なメンテナンスが不可欠です。
フェイクファーは合成繊維特有の課題として、静電気による埃の吸着や、摩擦による毛の絡まりが起きやすいという性質があります。正しい洗浄学を知って、ふわふわ感をキープしましょう。
家庭での洗浄:3つの鉄則
フェイクファーを洗う際、最も破壊的な要素は「熱」と「摩擦」です。
- 30℃以下のぬるま湯を使用: 高温はアクリル繊維を硬化させ、特有の柔らかな触感を永久に失わせる原因となります。
- 中性洗剤(おしゃれ着洗い用)を選択: 一般的なアルカリ性洗剤は繊維に負担をかけるため、必ず液体の中性洗剤を選んでください。
- 押し洗いで制御する: 揉んだり擦ったりすると毛が絡まって「ダマ」になり、二度と元に戻りません。優しく20回ほど押して洗うだけで、十分汚れは落ちます。
乾燥と仕上げの高度な技術
脱水は洗濯機で長時間回すのではなく、タオルで挟んで水分を吸収させる「タオルドライ」が理想的です。洗濯機を使うなら、ネットに入れて30秒以内に設定してください。
乾燥は直射日光を避け、風通しの良い日陰で平干しにします。完全に乾く直前に、ドライヤーの冷風を当てながら、ブラシで毛を逆立てるように乾かすと、新品のようなふわふわ感が復活します。
(出典:消費者庁『新しい洗濯表示』)
すすぎの最後に少量の柔軟剤を使用すると、静電気を防止し、毛の絡まりや埃の吸着を防ぐことができます。ただし、使いすぎると毛が束になってしまうため、規定量より控えめにするのがコツです。
フェイクファーテープの100均活用法:まとめ

本記事では、フェイクファーテープを100均で賢く選び、高品質な作品に仕上げるための全てのステップを解説してきました。
ダイソーやセリアなどの身近なショップで手に入る資材も、アクリルやポリエステルといった繊維の特性を理解し、適切な裁断や下準備、そしてメンテナンスを行えば、極めて高い付加価値を生み出す素材となります。
最も大切なポイントは、裁断時に「裏面からベース生地だけを切る」という単純なルールを守ること、そして「熱と摩擦を避ける」というケアの原則を徹底することです。これだけで、100均素材特有の悩みを解消し、驚くほど美しいリメイクを実現できます。
手持ちのアイテムに少しのファーを足すことで、冬の装いがより暖かく、華やかになるはずです。
110円という手軽な投資だからこそ、色々な組み合わせを試して、自分だけのクリエイティビティを発揮してみましょう。
なお、洗濯の可否や耐熱温度などは個別の製品によって異なる場合があるため、必ず購入時のパッケージに記載されている注意事項を確認し、最終的な判断は自己責任で行っていただくようお願いいたします。本記事が、皆さんの冬のハンドメイド生活をより豊かにする一助となれば幸いです。

